「ふれあい」VOL.28 2011年5月号

住民の要望やまちの魅力を反映した、息の長い活動でまちを元気にしたい


会長 村田 耕一さん

「買い物難民」のお年寄りが出現
住民同士で問題を解決したい

相賀浦は昔から漁業が盛んな土地で、カツオ、マグロ漁などが行われてきました。
しかし、過疎化と高齢化が進み、町の活気も住民からも元気がなくなっていきました。

中でも決定的だったのは、今から2年前、地域に唯一残っていたスーパーがなくなってしまったこと。
車を持たないお年寄りたちは「買い物難民」となってしまったんです。

そこで住民同士で何とか力を合わせて問題解決しようと、2009年6月にこの会を発足しました。
20名ほどの会員は全て相賀浦の住民で、行政との折衝も必要なことから現在は、区長の私が代表を務めています。


住民の思いを乗せて展開する
「みんなの店」と「えび網料理小屋」

町に活気を取り戻すために、会員さんたちと何度も話し合いをしました。
さまざまな要望があげられましたが、自分たちでできること、必要なことなどを考えた結果、「物販」と「えび網料理」の2事業に取り組むことにしました。

会員の出資により昨年1月には「みんなの店」と名付けられたお店をオープン。
買い物に行けないお年寄りからの要望を聞き入れ、地元で獲れた魚介類を中心に、米や野菜、海藻などの食品、日用雑貨、衣類などさまざまな商品を置くようになりました。

お年寄りたちには、それはそれは喜んでもらいました。
オープンの日は行列ができ、普段は家に引きこもりがちなおばあさんまで買い物に来てくれるほどでした。

また、このあたりは今も伊勢海老漁が盛んなことから、「他県からも是非、訪れて欲しい!」と海老や郷土料理を味わってもらえる「えび網料理小屋」も始めました。

期間は1月~3月で、開催は月に1~2回ほど。獲ったばかりの海老を漁師さんが目の前で調理しますから本当に美味しいんですよ。
値段も市価よりもずっと安い浜値でお出ししているため大人気で、期間中はありがたいことにいつも定員一杯です。

これまでこの地区では行政主導の縦割りで物事が行われてきましたが、元気づくり協議会では、役職にこだわらず長く続けるためにも「自主的に動くこと」をモットーにメンバー全員やる気一杯、和気あいあいと活動をしています。


みんなの店店長 畑 知之さん

地元住民に寄り添った
運営で「みんなの店」を盛り上げたい!

「みんなの店」では住民からの要望を受け、私と5人の女性会員でお店を運営しています。
お年寄りの常連さんが多いので、買い物がてらゆっくりおしゃべりが楽しめるスペースを作りたいですね。
また、相賀浦ならではの名物作りも考えています。
それが成功すれば、雇用の場も増え、外部からもお客さんが訪れ、町がどんどん元気になっていくと思います。まだまだ、やりたいことはいっぱいありますよ!


副会長 竹内 志保美さん

お客さんの喜ぶ顔を見ると
やりがいが湧いてきます!

月一回集まって意見交換や活動報告をする他にも、冬場はえび網料理小屋の運営をお手伝いしています。
えび網料理小屋では、地元で昔から食べられてきた漁師料理をお出ししていますが、最初はこの料理内容、この値段で、お客様に満足していただけるかなぁと心配でした。
でも、海老を焼いている横で「安くて美味しい!」というお客様の声を聞くと、やっぱり喜びとやりがいが湧いてきますね。


会計 田中 廣光さん

相賀浦自慢の海の幸を使った事業の
成功例を作りたい!

相賀浦の伊勢海老は昔からモノが良いと高値で取引されてきました。
漁師さんの中には、海老だけでなく、その時に獲れた魚を食材として提供してくれる人もたくさんいます。

ここが成功することで、これまで私たちの活動を見ているだけだった町の人の協力も、もっと得られるようになると思うので、今は頑張って成功例を作っている途中です。
人手さえ得られれば、多くの人に旬の食材を楽しんで味わってもらえるよう料理小屋も一年中やりたいですね。


事務局長 村田春喜さん

外部からも人を集めまちの魅力と
伊勢海老をPR!

この町は岬のどん詰まりにあるので、昔からなかなか人に来てもらうのが難しい場所でした。
まず、活動資金を確保するために、また、町のPRを兼ねて「えび網料理小屋」を始めることにしました。
美味しい食べ物はやはり目を引くのか、大阪や京都など県外からもたくさん来ていただいています。
相賀浦の漁師さんが獲った海老に付加価値を付けて、どんどん売り出し、町を元気にしていきたいですね。